【詩】灰と灯のあいだで

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貨幣の渦が
空にゆっくりと
新しい年を汚していく
祈りはまだ震えていた
雇用の命綱も、
正月の陽に煙る決意も

誰かの欲望が描いた
“平和”という
儚い幻をなぞりながら
走り出す身体の奥で
わたしは問う
この世界に戦なき朝はくるのか

風の夜道
責めない足取りで進む
追い越していくのは
他者に優しすぎたあの頃の影
手を振るたび
見失っていたわたし自身が
すこしだけ、揺れる

ゾンビが棲む朝に
仮面を外して走る
創作という名の野望で
絶望を編み
笑う未来を縫い合わせる
今日より活発な明日を
手に入れるために

声は刃にも
祈りにもなりうると知って
わたしは言葉に
少し怯えながらも
風のように進む
希望は、まだ遠い

民のいないカリスマは
崩壊を加速するだけ
だからこそ、わたしたちは
生き残る
それぞれの灯を持って

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