朝五時、
変化を信じて差し込む光に
まだ濡れた心を晒していた
善意の仮面をかぶった背中が
不在の痛みを引きずって
静かにこの街を後にするとき
信じたいものが多すぎて
信じきれない言葉ばかりが
胸の奥で膨らんでは
何度も黙って潰れた
雪雨に濡れた缶コーヒーのぬくもり
父の声に似た題目の残響
誰にも言えなかった退職のカード
現実の裂け目に
沈む嘘と浮かぶ真実が
信心という名の細い糸を引き寄せる
朝風呂の湯気に包まれて
今日という名の選択肢を
慎みとともに歩き出す
世界の脆さをこの手で知りながら
それでも
祈ることでしか開かない扉がある
静かに
それでも確かに
あの声とともに立ち上がる
