理想に近づこうとするとき
遠ざかるのは
ほんとうの自分かもしれない
人徳や出世の影に
削られてゆく輪郭
誰のための「育成」だったのか
無理をすることが
社会性の証とされる場所で
きょうもわたしは疲れている
政治家が眠る時間に
わたしは満員電車で
耳をふさいでいた
音の波に
こころがひりついて
イヤホンの中に逃げる午後
「整える」という努力で
わたしは壊れずに
なんとか立っている
通勤という儀式のあと
食べること
黙ること
静けさを選ぶ
不要な会話より
必要な沈黙を
そっと選べるようになった
朝、起きられなかったけれど
夜に取り戻せた
自分のリズムで、生きていい
年齢ではなく
若さではなく
声なき現場が
わたしという現場である
誰かの給料の調整では
ほんとうの幸せは育たない
制度だけでは
救えない心がある
見直すべきは、
他人ではなく
自分の意識かもしれないと
ようやく思えるようになった
