給料が上がった
なのに心は、何も変わらない
目の前の数字に喜べないのは
疲れ切った思考が
まだ眠っているからかもしれない
心が乾いたままでは
どんなに桁が増えても
それはただの「空白」だ
本当に欲しかったのは
お金ではなく
裁量という自由と
信頼という秩序の中で
自分を生かすことだったのではないか
働くとは、
数字を競うことではない
誰かの役に立つ喜びを
自分の中に積み重ねていくことだ
他人と比べて
焦るたびに
数字に怯えるたびに
私たちは資本主義の檻の中で
少しずつ目を失っていく
子どもも大人も
「成功」という名の幻を追いかけ
やがて誰もが
お金の奴隷になる
心は鈍り、
嫉妬が染み込み、
誰にも優しくなれなくなる
それでも、SNSでは
今日も優しい言葉が並ぶ
だが、目の前の誰かには
視線さえ合わせられない
このまま進んだ先にあるのは
社会の崩壊か
それとも、再構築か
人間という旅の終着駅に
必要なのは、
もっと静かで
もっと深い「余白」かもしれない
耳をすまし
目の前の声に気づき
比べずに、自分を慈しむこと
給料よりも、
自由よりも、
もっと大切なものがある
それは、
心が満たされたときにだけ
はじめて気づける
