揺れる窓の向こうで

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昨日、2025年2月12日(水)。
職業センターでの面談があった。
15時40分からの2時間、過去を振り返るような会話を続けた。
それだけで、どっと疲れた。

私は昔の出来事を話さずにはいられない性分なのだ。
自分の人生を振り返ると、苦難の連続だった。
自宅の火事で全焼し、母の借金返済に追われる日々。
癲癇の発症、そして母の死。
まるで、これは父の死から続く一本の道のように思えた。

父が亡くなった頃、周囲にはまだ気の合う仲間がいた。
しかし、今は誰もいない。
ある友人は信念を持つ女性と結婚し、家庭を築いた。
だが、彼の話を聞くたび、違和感を覚えた。
奥さんの決めた門限、家庭の厳格なルール。
そんなに時間に縛られて、生きることに窮屈さはないのだろうか。

「結婚は墓場よ。」
母がかつて言っていた言葉が、ふと脳裏をよぎる。
彼女はお見合い結婚だった。
その縛りを知っていたからこそ、そんな言葉を残したのだろう。

恋愛がいいのか、結婚がいいのか。
私にとって、それは縁遠い話だ。
「できるなら、しても面白そう」
そう思うだけで、深く考えることはなかった。

帰りの市電の中、私は最寄り駅のさらに先、終点まで揺られていた。
暖房の効いた車内、揺れる窓の向こうの街灯がぼんやりと滲む。
いつの間にか、まどろんでいた。

「お客さん、終点ですよ!」

突然の声に目を覚ました。
運転手の口調は、やや棘があった。
けれど、不思議と苛立ちは感じなかった。
ふと、この人はどんな人生を送っているのだろう、と考えた。

駅のベンチに座り、冷たい夜風を感じる。
一瞬、すべてがどうでもよくなるほどの開放感があった。
目の前に広がる道が、どこまでも続いているように思えた。

私は、この先をどう生きるのか。
答えはまだ見えない。
けれど、心の中で、何かが変わり始めている気がした。

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