「どうしてだろう……」
静かな夜。
風に揺れるカーテンの向こうで、月がぼんやりと照らしていた。
優しい家族。
安定した仕事。
何も問題がないはずの環境。
それなのに、私の心には、ずっと得体の知れない“生きづらさ”が巣食っていた。
まるで、目に見えない“魔物”が、胸の奥に住み着いているかのように。
その魔物は、時に私を押しつぶす。
前に進む力を奪い、叫びたいほどの苛立ちを生む。
「このままじゃ、何も変わらない」
そう思うたびに浮かんでくる疑問。
なぜ、ルールは変えられないのか?
なぜ、人は変化を恐れるのか?
本当は分かってる。
変えるには、勇気と行動、そして信念が必要だ。
でも、それを持ち続けるのは簡単じゃない。
孤独にもなるし、時に裏切られもする。
「現状に甘んじることが、楽なのかもしれない……」
そんな声が頭をよぎるたびに、私は自分を責めた。
それでも、私の中には、小さな灯のようなものが残っていた。
“この社会を、もっと良くしたい”
変わりたいと思うのに、変われない人たち。
本音を語れず、建前だけが支配する世界。
でも、私は叫びたい。
「それで本当に、大丈夫なの?」と。
他人を非難する前に、自分の内側にいる“魔物”と向き合おう。
その正体は、恐れかもしれない。
失敗への不安かもしれない。
でも、そこに気づいた瞬間、私たちはきっと、変わり始める。
「がんばればできる」じゃない。
できないこともある。
でも、それを認めることが、最初の一歩だ。
障害も、痛みも、生きづらさも。
それを“個性”と片づけるのではなく、
「どうすればもっと楽に生きられるか」を、 みんなで考える世界にしたい。
そのために必要なのは、ただ一つ。
勇気。
そして、信念。
見えない魔物に負けないように。 私は、今日も問い続ける。
