小説

SNSは、町の外から届く光だった

駅前の時計塔が、18時を知らせるチャイムを鳴らした。僕の住む町は、その音を合図に一斉に静まり返る。夕暮れの空はどこまでも広くて、それだけで、少し泣きたくなった。小さなコンビニのバイトが終わると、僕は決まって河原沿いのベンチに座り、スマホを取り出す。Instagram、X、TikTok——タイムラインには都会の光が溢れていた。
小説

波の名前

第一章 — 布団の中の世界朝6時。スマートフォンのアラームが鳴り響く。けれど彼は起き上がれなかった。高校3年の春。進路に答えはなく、友人関係は微妙なまま。「今日はうまく笑えるだろうか」そんなことを考える日々が、もう何週間も続いていた。
小説

静かに崩れていく「支援」──A型事業所に通う僕が見た現実

プロローグ「A型事業所なんて、もう存在しないと思ってるんです。」そう呟いたのは、まだ5月の空気が肌寒かったある朝だった。通所のバスに揺られながら、僕は窓の外に広がるグレーの街をぼんやり眺めていた。心のどこかでは、今日も“支援”の名のもとに、また失望させられるだろうことをわかっていた。
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小説

チョコレートは僕を癒す

ときどき、頭の奥がシューッと音を立てて、空気が抜けるみたいに静かになる瞬間がある。考える力も、話す気力も、声にならないまま、泡のように浮かんでは消えていく。
小説

「明日がない世界」

空が、ほんの少しだけ赤く染まっていた。午後五時の駅前。誰かを待っている風でもなく、ただ歩道橋の影に立っている。「明日が来ないって、どういうことだと思う?」僕は独り言のようにつぶやいた。けれど、風がそれを誰かに届けてくれる気がしていた。
発達障害

38歳からの発達成長日記|2025年8月13日

― 生きづらさと向き合う誕生日 ―今日は誕生日、でも喜べない今日は僕の38歳の誕生日。けれど、なぜか全く嬉しくない。人生を諦めたわけではない。ただ今の社会は僕にとって相性が悪いと感じる。「何も言わず、我慢して、目を瞑って生きなさい」と言われているようだ。
発達障害

38歳からの発達成長日記|2025年8月9日

今日という日をどう生きるか朝、窓の外は薄曇り。コーヒーの香りが立ちのぼる中、理由もなく体が重かった。「今日もまた、生きるだけで精一杯だな」と、息を吐く。僕の人生は、きっと小さな点のような存在だ。明日が来る保証はない。誰と会っても、派手に振る舞っても、その根っこは変わらない。
発達障害

38歳からの発達成長日記|2025年8月8日

僕は今、社会に対して大きな限界を感じている。それは「発達障害だから」だけではない。かつて肉体労働の現場で病気を患い、発達障害の診断を受けた。診断結果を聞いたあの日、胸の奥で「これで人生が終わるのか」という恐怖が渦巻いた。しかし同時に、「この特性だからこそ見える景色があるかもしれない」という小さな希望も芽生えていた。
発達障害

38歳からの発達成長日記|2025年8月7日

環境に馴染めず、早退した一日今日は体調が優れず、就労継続支援A型の事業所を早退しました。最近、自分が今の環境にうまく適応できていないことが、表面化してます。正直に言うと、体調を崩すほどの場所に通わなければならないこと自体に、強い疑問と怒りを感じています。「こんな場所、必要なのか?」「本当に意味があるのか?」そんな思いが頭の中を駆け巡ります。
発達障害

38歳からの発達成長日記|2025年8月6日

夏の朝、38歳の心境朝、窓を開けると、湿った夏の空気が一気に部屋に入り込んできた。蝉の声が、まだ眠気の残る頭に響く。38歳の夏。この暑さは、20歳の頃と何も変わらない。受け止め方だけがずいぶん変わった。
発達障害

38歳からの発達成長日記|2025年8月5日

はじめまして。僕は、「ことばフルネスチャンネル」というYouTubeチャンネルを運営している38歳、男性です。最近は、YouTubeのショート動画を制作・投稿したり、noteに文章を書いたりして過ごしています。趣味というほどのものはありませんが、日々の中でふと思考に耽ることや、散歩することが、僕にとっての「癒し」です。
3行日記

3行日記|「正論が嫌われる理由」を考える力がないって話

好きなことに真っ直ぐなASD気質の僕からすると、正論を嫌う人の多さより、それに反論するしかない思考の癖が一番怖い。共感がほしいんじゃなくて、考える習慣を持ってほしいだけなのに、話を聞かず価値観で殴ってくる人の方がずっと厄介。
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