【詩】道という名の祈り

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はじまりは 風さえない
ひとすじの影だった

転んだ土のぬくもりに
生の重さを知る

七度目の痛みより
一度目の無関心が
人を鈍らせる

それでも
まだ歩こうとするのは
灯のような何かが
心の底で
名もなく揺れているから

栄光は砂
過去は器
いずれも 注ぐ者がいなければ
乾いてゆく

伝統とは 生きた声
息をしている今だけが
それに血を通わせる

この道は
誰かのあとをなぞるためではなく
誰にもなぞれぬ
ただ一つの存在

迷いながらも
ためらいながらも
踏みしめたその一歩が
祈りになる

歩くことが祈り
それが
道を道たらしめる理由

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