はじめに、一つだけお伝えさせてください。
これからお話しすることは、決して「これが正解」という答えではありません。
この記事を読んでくださった方が、ご自身の現場や人との関わり方を振り返る「思考のきっかけ」になれば幸いです。
価値観と人材育成は「別物」である
突然ですが、人材育成の場で無意識に自分の「価値観」を相手に押し付けてしまっていませんか?
人間には「自分の価値観を押し付けられると、自然と拒絶反応を起こし、継続することが億劫になる」という性質があります。
特にこれからの未来、社会に出てくる若い世代は、私たちが思っている以上に高いコミュニケーション能力を持っています。しかし、受け入れる側の社会はどうでしょうか。
残念ながら、自分と相手の価値観の違いを棚に上げて、「君って、ちょっとコミュニケーション能力が低いよね」 と安易にレッテルを貼ってしまう先輩社員が少なくありません。
私はそうした光景を見るたびに、強い違和感を覚えます。
「そうやって人を決めつけている人自身こそ、コミュニケーション能力が低いのではないか?」と。
日本の職場には、伝統や会社の文化を大切にする良さがあります。
しかしその反面、「自分(自社)と違うこと」に対して安易に厳しい言葉を投げてしまいがちです。
自分のさじ加減で人を指摘し、大したフォローもできない人が育成を担当しているとしたら……。
正直、ゾッとしませんか?
だからこそ、これからの育成担当者に欠かせないスキルは「言葉選び」と「伝えるタイミング」の見極めなのです。
「めんどくさい人間」が「めんどくさい人間」を育てるという現実
では、これからの時代、私たちはどのように人材育成に向き合えばよいのでしょうか。
大前提として受け入れるべき事実は、「人間は、自分も含めてとにかく面倒くさい生き物である」ということです。
人材育成とは、つまり「面倒くさい人が、面倒くさい人を育てる」という、一筋縄ではいかない大仕事なのです。
だから誰もが簡単にできることではありませんし、避けたがる人が多いのも当然です。
例えば、工場などの「流れ作業」や「交替制勤務」の現場を思い出してみてください。
自動化が進む現代において、人間が担当する仕事は「機械並みの正確さとスピード」が求められる場面が増えています。
だからこそ、新人が早く仕事を覚えないと現場や組織全体が回らなくなってしまう。
現場における「教育・育成」の重要性は、かつてないほど高まっています。
まとめ:人が存在する限り「育成」はなくならない
AIやロボットによる自動化が進み、「もはや人に仕事を教える必要すらない時代」が近づいていると感じるかもしれません。
しかし、どれだけテクノロジーが進化しようとも、そこに「人」が存在し続ける限り、人材育成という概念が消えることはありません。
教える側が自分の価値観を手放し、相手と適切に向き合う知識を持つこと。
それこそが、これからの厳しい時代を生き抜くために私たちが今すぐアップデートすべきスキルです。
人がより働きやすく、そして生きやすい世中をつくるために。
まずは明日のコミュニケーションから、少しだけ意識を変えてみませんか?
